南米のパリ 親日国アルゼンチン ブエノスアイレスへの移住を検証

白人系人口の多さと、ヨーロッパ的な文化や建築物の多い街並で、南米のパリといわれるアルゼンチン。特にブエノスアイレスは哀愁が漂う素敵な街というイメージがあるのですが、実際はどんな所なのでしょうか?

永住権が比較的取りやすいという理由で、移住を考える方々に注目されているアルゼンチン。その首都ブエノスアイレスが、実際に移住に向いているかどうか検証するため、色々と調べてみました。


基本情報


人口:43.847 (2016年現在)

面積:278万k㎡(日本の約7.5倍)

首都:ブエノスアイレス  Buenos Aires

宗教:国民の92%がカトリック。その他プロテスタント、ユダヤ教、イスラム教など。

民族構成: スペイン系、イタリア系の白人が97%を占め、残り3%がその他の人種。

言語:スペイン語

通貨:アルゼンチン・ペソ Argentina Peso。略号は$。

時差:日本より12時間遅れ。

南半球に位置し、日本の真裏になります。飛行機でも、乗り継ぎで約36時間ほどかかる日本からは遠い国です。

世界第8位の面積で、南米のチリ、パラグアイ、ウルグアイ、ボリビア、ブラジルに隣接しています。ビーチや砂漠、スキーができる山々などバラエティに富んだ地形も魅力のひとつです。

1月、2月が盛夏で最高気温は約29℃まであがり、6月、7月が真冬で最低気温は平均して5~6℃です。雪が降らない程度の寒さでなので年間を通して過ごしやすといえるでしょう。この期間の間に日本の秋、春に相当するシーズンがあります。

2箇所の原子力発電所があります。

アルゼンチン人の母国語はスペイン語で、英語を話せる人は日本同様にかなり限られます。

在留邦人数11,675名(2014年)(外務省「海外在留邦人数調査統計」)、日系人を含めると現在約3万人の日本人が住んでいると言われています。

明治時代にアルゼンチンへと渡った日本人たちが、非常にまじめに働き、地域の発展に貢献したことにより、アルゼンチンは親日国としても知られています。2014年には、秋篠宮ご夫妻が日本とアルゼンチン間の移住協定発効50周年記念式典ご出席の為、アルゼンチンをご訪問されました。

ブエノスアイレスは、アメリカのシンクタンクが公表したビジネス・人材・文化・政治などを対象とした総合的な世界都市ランキングにおいて、世界第20位の都市と評価されていて、南米の都市では第1位でした。


気になる査証(ビザ)について


パーマネント、テンポラリー、トランジットの3種類の滞在許可があります。

○トランジット 

観光、医療処置、投資市場調査、季節労働等を対象。日本国籍であれば、査証免除で90日間の滞在が可能です。
現地での滞在延長は出来ません。

○テンポラリー 一時滞在査証

専門的活動(工業、商業、ビジネス、科学、文化、スポーツ等)、投資家、学生、宗教、契約を有する労働者、年金生活者を対象とする。リタイアメントビザはこれにあたります。
・滞在は1年毎の更新が必要です。
・リタイアメントビザは年金生活者であることが主な条件。
・個別の事情に応じて審査され、発給は移民局の判断に依ります。
・投資家は、アルゼンチンで製造・商業・サービス業を営む投資家が対象。3年間の滞在許可が得られます。更新可能。

○パーマネント 永住査証

年齢の規定なし。一時滞在査証(テンポラリービザ)取得後3年以上経過した人、アルゼンチン人の家族、永住査証所持者の家族、外交官などが対象となります。
・通常、永住査証の申請は、現地の移民局が窓口になりますが、日本にある大使館で査証を申請できます。通常、在日大使館での書類審査と面接を経て、審査通過後に10万ドルの預託金送金が必要です。(10万ドルはすぐに返却されます)
・アルゼンチンは出生地により国籍が決まるので、日本人同士の子供であってもアルゼンチン国内で出産すればその子供は手続きすればアルゼンチン国籍が取得できます。この場合、その親はアルゼンチン人の親として永住査証を得ることが可能です。

●外国人登録
テンポラリー査証、または永住査証にて入国した場合、入国より3ケ月以内に外国人登録署での滞在届の手続きと身分証明書の取得をし、外国人登録をする必要があります。

3ヶ月の観光ビザを隣国のウルグアイなどに3ヶ月ごとに出国すること(日帰り可能)を3年間続けることでも、永住権が取得したという例もあるようですが、最近は若干厳しくなり、この出入国を何度も繰り返していると、入国審査の際に正式な滞在許可を取るようにと言われることもあるそうです。
※ビザ取得に関してはルールや条件が変更される事が多々ありますので、必ずご自身でご確認下さい。


アルゼンチンの食事情と物価


国内自給率が高く、多くの有機野菜をヨーロッパに輸出しています。 野菜やフルーツ、牛肉などは日本よりも安く、特にビールやワインは日本の4分の1ほどで購入できます。

ワインはスーパーや専門店に行けば、数百円から数千円でそこそこ美味しいものを手に入れることができます。もちろん高級品は数万円から数十万円するものます。ワイン好きにとっては天国のような場所です。

ピザやハンバーガー、サンドイッチなどは数百円で食べられるので気軽に楽しめます。コーヒーはカフェの店構えにもよりますが、200~400円程度で美味しいものを飲むことができます。

アルゼンチンは基本的にチップの習慣がある国。レストランなら10%を目安に、コーヒー一杯ならお釣りの小銭を置くくらいのイメージです。

牛肉大国ならではの質の高いお肉を、庶民的なパリージャ(焼き肉&ステーキ専門店)に行けば、1000~2000円程度で大量に食べられます。高級なレストランに行っても、その倍程度の値段です。

アルゼンチン人の30歳の平均収入は8万円程度。ちなみに国公立の教師の給料は8500ペソ(約61100円)程度です。

物価上昇率は年率20%を超えていて、2001年にデフォルト(債務不履行)に陥ってから外貨の借り入れが困難なまま、経済状況は厳しいようです。物価上昇率は23.9%(アルゼンチン国家統計局)。2013~2016年の3年間で、ガス(5.4倍) 電気(2.4倍) 水道(5.1倍) インターネット(3.2倍)というように、料金が値上がりし続けています。

ドルや円などの外貨で収入を得ている人にとっては、すべて日本より若干安く感じるでしょう。

失業率は7,77%(2016年4月現在 アルゼンチン国家統計局)
アルゼンチンで職を探すのは大変難しいようです。まして、日本人には言葉の大きな壁があり、正式に雇って貰える企業はきわめて少ないのが現状のようです。

とはいえ、ブエノスアイレスでは町の音楽家がタンゴを奏で、レストランやバーではおしゃれな人々が笑顔でワインを楽しむといった光景を見る事ができます。百貨店やモールも買い物客でにぎわい、大規模なデモや暴動もなく、町は極めて穏やかです。


住むエリアと気になるお家賃


ブエノスアイレス市は周辺都市より治安が良く便利な為、外国人の多くは市内に住みます。ブエノスアイレス市内は細かい地区に分かれていますが、比較的治安が良く日本人が多く住んでいる地区が、Recoleta、Palermo、Belgranoの3地区です。

このエリアには日本人学校、日本人が多く利用するドイツ病院、日本食やアジアの食材が手に入る中華街、動物園、植物園、日本庭園、ショッピングセンターやアウトレットモールなど生活するのに困らない施設が揃っています。

家賃はエリアにもよりますが、現地人の独身会社員は1LDKで2~3万円程度のところに住んでいます。

中心地でも人気のない地区だと3LDKで3万円。外国人が同じ部屋を借りると5万円位
(安全な地区でも数ブロックで雰囲気がガラっと変わり、危険な場所もあるようなので
事前にチェックする必要があります)

高級住宅街 Palermo、1ベッドルーム、1.5バスルーム、セキュリティーがしっかりしていて、プール、ジム付き  13,580ペソ($1,488) 約18万円

一般的な賃貸アパートを契約するには、保証人が必要です。保証人になることが出来るのは、アルゼンチン国内に不動産を有しているか、それと同等の信用が証明できる人に限られます。また、契約期間の家賃の総額を前払いすることで保証人なしで契約できる場合もあります。


なんとなく怖いイメージ アルゼンチンの治安は?


外務省のホームページには、下記のように注意喚起されていました。

首都ブエノスアイレス市の周辺都市(首都ブエノスアイレス市は除く)

 :「レベル1:十分注意してください。」(継続)

首都ブエノスアイレス市に隣接した地域には、警察官でも近づくのを避けたがるビジャ(villa)と呼ばれるスラム街が多数存在し、銃器を使用した殺人、誘拐、強盗といった凶悪犯罪が日常的に発生しています。この地域のスラム街には絶対に近づかないでください。また、スラム街以外の地域においても、現地の治安情報に十分注意してください。

場所によって大きく安全度が変わってくるようです。中心街は人気観光地なので警察がきっちりと警備をしていますが、中心街から外れると危険だということです。


アルゼンチンの教育


アルゼンチンの教育制度は、6~18歳までの12年間が義務教育期間。初等学校が7年制、中等学校が5年制です。学費は、公立は初等学校から大学まで無料。ただし、教材費や大学入学時の費用は別途必要になります。

アルゼンチンの教育水準は南米諸国の中では上位で、小学校の入学率はほぼ100%です。ただ近年は、国内で経済的な混乱が続いたこともあり、義務教育を修了する生徒の割合は30%程度です。

ブエノスアイレスには日本人学校、日系社会が経営する日・西・英の3カ国語で教育を行うブエノスアイレス日亜学院 (Instituto Privado Argentino Japonés-幼稚園、初等部、中高等部)があります。

インターナショナルスクールもあります。

・Asociación Escuela Lincoln   http://www.lincoln.edu.ar/

・Belgrano Day School       http://www.bds.edu.ar/en/

・Colegio Franco Argentino     http://www.cfam.edu.ar/home/

また、ブエノスアイレス市内には大規模な国立図書館をはじめ、公立図書館が148館あります。美術館、博物館が98館、プラネタリウムが1つあります。

魅力いっぱいのブエノスアイレス。まずは3ヶ月、観光ビザで滞在して街の空気、人々の雰囲気など肌で感じてみたいですね。これからスペイン語を1から勉強し、仕事を探し、子連れでの移住を考えている方には、少々ハードルが高いような気がします。

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